ウェアラブルセンサ信号のコンテナフォーマットに関する最近の国際標準化動向
Society5.0が目指す超スマート社会では、高齢者に役立つサービスの掘り起こしが最重要課題になっており、生活自立支援「Active Assisted Living」(以下、AAL)の需要が今後拡大するものと予想されます。
そのような中で、広島市立大学 大学院情報科学研究科 田中宏和教授は、ウェアラブルセンサ信号のコンテナフォーマットに関する国際標準化の動向を追っています。以下、2021年末に標準化提案が承認されたシステム技術「IEC63430」の概要について説明します。
AAL関連サービス事業と、それを実現するデバイスやシステム構築の事業などを発展させるには、国内外で共通のサービスやシステムを展開できる仕組みが大切です。そのために各国のセキュリティやプライバシー、信頼性などの法規制をクリアすることが求められ、国際標準規格による枠組み作りが必要になります。
そこでISOやITUと並ぶ国際標準化機関である国際電気標準会議のIECは、AALに関連する国際標準化をヘルスケアIoTの応用分野と位置づけ、センサからサービスまでTechnical Committee(TC)や、System Committee(SyC)が連携して一体的に標準化を進めているところです。
ここでユースケースやリファレンス・アーキテクチャなど、TC横断のハイレベルな要件や、ユースケースをIoTシステムとして実現するシステム、ウェアラブルセンサやBody Area Network(以下、BAN)など、データ収集のインターフェース技術を取り扱っています。
なかでもIEC63430 “Data container format for wearable sensor”は、IoTシステム技術の標準として、ウェアラブルセンサなどからの生体データや環境データが、BANバブやスマートフォンなどのデバイスとIoTプラットフォーム間でやりとりされるコンテナのフォーマットや仕組みを規格化するものです。
今回、新規提案が承認されたウェアラブルセンサ信号コンテナフォーマット技術は、ヘルスケアIoTを起点に、流通、金融、建設、運輸、製造、サービス、エネルギー、公共など社会のIoT分野への適用が可能で、スマートシティ実現のキーテクノロジーの1つとして期待されます。これら詳細に関しては、以下の論文を参照してください。