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ストレージは1PB以上! 品質と価格のトレードオフという常識を覆すクラウドサービス

Neutrix Cloudにおける4つの差別化のポイントとは?

Neutrix Cloud Japanは、関西電力系のオプテージが100%出資し、2020年に設立された企業で、いまINFINIDAT社のNeutrix Cloudを中心に展開中だ。

もともとNeutrix Cloudは、INFINIDAT社がマルチクラウドに対応したクラウド接続ストレージとしてスタートしたもの。しかし国内では、ストレージのみならず、コンピューティングやネットワーキングをカバーするクラウド基盤サービスに加え、GPUコンピューティングやバックアップ/レプリケーションも含めた総合クラウドサービスとして、既存のパブリッククラウドとは異なる立ち位置でITインフラを提供している。

ストレージの導入する際には、検討材料としてコスト、性能、信頼性の3点が挙げられる。コストは安いほうが良いし、性能は要件に応じて適切に確保したい。もちろん信頼性は重要だ。これら2つだけを選択するなら、どれを選ぶべきか迷うだろう。もし性能と信頼性を担保したいならコストが上がることは常識だ。品質とコストはトレードオフの関係になる。

ある程度のデータ量ならば、コストが高くても受容できたが、現在のようにDXが進み、急増するデータを保有する時代になると話は別だ。クラウド自体も単にデータを保管する場所でなく、データを活用する場所になるだろう。そこでNeutrix Cloud Japanでは、同社のサービスとビジネスモデルの特徴として、以下の4点を挙げて、差別化を図っている。

①本格的なマルチクラウドで運用リスク回避
②高性能、高信頼なのに低コストを実現
③PBクラスという従来にない大容量
④日本での独占的権利による最新機能の提供

高性能にかかわらず、安価で提供できるNeutrix Cloudの仕組み

実は、Neutrix Cloudが優れた特徴を持つのは、「ストレージの神様」と業界で呼ばれるINFINIDAT社の創業者、モシェ・ヤナイ氏によるところが大きい。同氏は1980年代にEMC社で「Symmetrix」を開発し、メインフレームのコストダウン化に寄与した人物だ。

イスラエルでスタートアップも立ち上げ、Web2.0対応の大容量ストレージ「XIV」を開発し、それがIBMに引き継がれた。2011年にはINFINIDAT社を設立し、そこで開発したのがクラウド対応の大容量ストレージ「infiniBox」だった。このように三世代にわたるノウハウを活かして、ストレージを開発してきたのだ。

2018年には、マルチクラウドを可能にするクラウド接続ストレージ「Neutrix Cloud」を米国でローンチした。現在、このNeutrix Cloudの開発元は日本に移管され、Neutrix Cloud Japanが成長をドライブしているところだ。

INFINIDATのストレージ販売実績は、ワールドワイドで容量7EB(1EB=1000PB=1億GB)を超え、ストレージ単体でも既に世界で3000社以上の大手企業に採用されている。企業がメタバイト級のデータを保有し、経営に活用するという動きは活性化している。 INFINIDATのストレージの優位性は、エンタープライズのオールフラッシュストレージと比較すると分かりやすい。ストレージは9割以上がHDDで構成されるが、オールフラッシュのストレージよりレイテンシー(遅延)が低く、安定した速さを実現。これは優れたメモリキャッシュ技術とソフトウェアによるものである。

さらに容量効率も高く、1ラックで10PBのストレージを格納できる。これによる高信頼性も見逃せない点だ。INFINIDATは事実上で100%のデータを保証する。完全無停止で高可用性を実現できるアーキテクチャがあるためだ。これらを極めて低コストで実現している。そのため容量単価がオールフラッシュストレージをかなり低く設定できる。

INFINIDATのストレージが優位性を発揮できる理由は、ストレージの大部分が安価なHDDに関わらず、データアクセスについてはDRAMを93%以上も利用しているからである。HDDは100回に1回しかアクセスしない。これを実現しているのが独自のデータアクセス設計を含めたソフトウェア技術だ。ほとんどがDRAMで処理されるので、オールフラッシュのストレージよりも高速に処理を実現できる。

Neutrix Cloudのサービスのラインナップの概要

Neutrix Cloudのサービスラインナップは次の通りである。

リージョンを東京と大阪に設定し、各拠点にデータセンターを構えている。ここでAWS、Azure、Googleのクラウドに接続し、マルチクラウド機能を提供。Neutrix Cloudは、一般のパブリッククラウドによるインスタンス起動と同様のコンピュート機能がある。ネットワークは、顧客専用のプライベートネットワークである仮想化クラウドネットワークや、顧客サイトとの接続、複数のデータセンター間の接続などを構成できる。

ストレージは前述のようにINFINIDATを利用し、ブロックストレージ/ファイルストレージ/オブジェクトストレージに対応。ブロックストレージと同じプロトコルでIOPSを下げたアーカイブストレージも使える。またオンタップセレクトも可能だ。これらのストレージにAWS、Azure、Googleのインスタンスから接続するストレージ接続サービスを用意。ストレージが別クラウドにあることを意識せず、低レイテンシーでシームレスに操作できる。

そのほかVeeamを使ったバックアップ、オンプレミスや他サイトのストレージからのレプリケーションなども可能だ。クラウドサービス全般に一定のマネージドサービスが付帯し、監視もベーシック機能は無償で使える。 オンプレミスでNeutrix Cloudを利用したい場合は、顧客のデータセンターにラックを設置し、クラウドサービスとしての課金で利用できる。さらにITサービスプロバイダーの企業向けにNeutrix CloudのOEMも用意し、独自ブランドとしてクラウドサービスを提供できる。

Neutrix Cloudの特徴と優位性をおさらい

Neutrix Cloudの優位性について、3点ほどポイントを強調しておこう。

まず、前述のように一般的なパブリッククラウドと比較して、ストレージ性能や信頼性が圧倒的に良いという点が挙げられる。クラウドストレージながら、大容量データに対する高負荷な処理や高度な分析にも耐えられる品質を提供しつつ、低コストを実現できる。

2つ目は、リソースプール方式でコンピュートを提供。ユーザーが必要とするCPU、メモリ、ストレージをセットで割り当てる。割り当てられたサーバーリソースとライセンスの範囲内で、自由に仮想サーバーを作成でき、追加コストも発生しない。仮想サーバーが不要になったら削除し、リソースを再利用できる。利用率を考慮してサイジングし、リソースを効率的に使えばコストを抑えられるだろう。

3つ目のポイントはマルチクラウドだ。ストレージをNeutrix Cloudに置き、クラウドのインスタンスから接続して利用する。AWSとAzureの両インスタンスから同時にNeutrix Cloudにアクセスできるので、異なるクラウド間でのデータ共有や移行にも活用できる。 Neutrix Cloudにおける大容量、高性能、高信頼性ストレージの特徴をまとめると以下のようになる。

なお料金については、月額固定料金のシンプルな体系となっている。データ転送料などの追加課金は一切なく、日本円での固定料金なので為替レートの影響も受けない。ストレージだけでなく、コンピュートやネットワークなどのクラウド基盤サービスを包括的に提供すマネージドクラウドとして、バックアップ、レプリケーション、スナップショットなど、最新技術を利用することも可能である。 Neutrix Cloudは、中立的で公平なサービスを掲げ、パブリッククラウドとのハブやゲートウェイとしての役割も担う。データ転送量により、データをロックインすることもない。企業規模に関わらず、自社の重要なデータをしっかり保有・活用し、新たな価値の創造を支援する。利用価値のある既存のパブリッククラウドを選択でき、別のサービスに切り替えたり、プライベートクラウドの一環として利用したり、オンプレミスとして設置することも可能となっている。このようにNeutrix Cloudは、データ主権を取り戻すクラウドの新たな選択肢を提供してくれる。

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