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DXを失敗させないためのクラウドサービスの選び方を指南!

データロックイン、サイロ化は、DXを進めるにあたって避けるべき課題である

Neutrix Cloud Japanは、Neutrix Cloudを国内で提供している企業だ。関西電力グループのオプテージが100%出資し、既存のパブリッククラウドとは違う立場で新しい選択肢を提供している。Neutrix Cloudは、もともとINFINIDAT社がマルチクラウド対応のクラウド接続ストレージとして提供していたが、日本ではストレージだけでなく、コンピュートやネットワーク、GPUコンピュート、バックアップ/レプリケーションなども含めた総合クラウドプラットフォームとして展開中である。

DXには、大容量データを蓄積して活用できる基盤が必要だ。基盤はオンプレミス、クラウド、その組み合わせなど多様な選択肢がある。ではDXを遂行するために、どんな基盤でデータを扱うと良いのか?

現在データを作り出すのは人間だけでなく、デバイスに搭載されたカメラなどのセンサーからも大量のデータが生成されている。

しかし、これらのデータはセキュアに守られているとは限らない。またデータ基盤に上がるデータがロックインされたり、サイロ化される問題もある。そのため自社データをどう守り、活用していけばよいのかという課題もある。パブリッククラウド選択時のポイントについて、クラウドファーストのトレンドや合理性は当然だが、同業他社で使っているからといった安易な理由で選択してしまうと、将来的な課題が生じる。

一度でもクラウドサービスを導入すれば、数年間は使い続けることになる。しかし利用中に、自社ニーズが変化する可能性もあるだろう。またパブリッククラウドのPaaSやSaaSを利用すると、他社サービスへの乗り換えが困難になる。パブパブリッククラウドデータ移行にも費用と時間、人的コストが掛かる。

単一のパブリッククラウドを選択すると、データを外に持ち出すことが難しいデータロックインの課題も生じる。このデータロックインは、データ基盤を乗り換える際のスイッチングコストが現実的な値を超える状況を指す。たとえば、あるクラウドサービスから、データ活用のための分析に最適な別サービスに乗り換えようとした。ところが、データを元のクラウドから持ち出すには、データ転送料などのコストが膨れ上がり、実質的にデータを持ち出せない状況が起きる。

また、ハイブリッド・クラウドやマルチクラウド選択時にも考慮すべきポイントがある。この場合は、複雑で柔軟性のないネットワーク制約の中で構成する必要があり、当初の想定以上のコストがかかる可能性もある。またオンプレミスや複数のクラウドサービスといった全体像の把握と、それらの最適化を考える必要があるだろう。 たとえデータロックインを避けるために、ハイブリッド・クラウドやマルチクラウドを選択しても、データが散在し、独自運用される状態となれば、結果的にデータのサイロ化が起きる。オンプレのファイルサーバーでも拠点や部署ごとにサイロ化は発生するが、複数のクラウドを利用すると全体を把握して最適化するのは、より難しくなってしまう。

Neutrix Cloudにおける「データグラビティ」の世界観とは?

ここまで説明してきたデータのロックインやサイロ化の課題は、実は「データグラビティ」の概念で説明できる。これは、システムを構成する要素が質量を持ち、そこに重力が発生するという考え方である。概念上では、システムの構成要素の中で、データが最も重力が大きく、アプリケーションやサービスは重力の大きなデータに引き寄せられることになる。

データグラビティがある世界では、データが特定の場所に集まり、そこに紐付けできるシステムがデータの集積先に限定されてしまう。たとえば、オンプレミスの仮想環境とパブリッククラウドをマルチクラウドで利用していたとき、各環境にはデータと、それらを処理するアプリやサービスが紐づいている。企業にとっては、重要なデータが分断された状態で存在しており、後でデータの場所を変えることは容易ではない。

つまりデータグラビティがビジネスに対する制約を作り、企業経営にとって足かせになってしまう可能性があるわけだ。データグラビィティがある世界では、本質的な問題を解決できず、多くの犠牲を払うか、問題を先延ばしするしか選択肢がない。Neutrix Cloud Japanでは、データグラビティの世界観を提供することで、企業経営に対して新たな選択肢や可能性を示せるものと考えている。

たとえば、Neutrix Cloudが提供するゼログデータグラビティは次の図の通りである。すべてのデータをNeutrix Cloudに蓄積できるので、ストレージや性能による制約はない。蓄積データは、オンプレ、他のプライベートクラウドやパブリッククラウドから自由に接続できるので、アプリとデータの分離が可能となる。もちろんデータを引き出すときに転送量を課金されたり、データを囲い込まれることもない。

一線を画するNeutrix Cloudのセキュリティとパフォーマンス

Neutrix Cloudは、いわゆるオンラインストレージではない。特にセキュリティ・パフォーマンスに関しては、過去のストレージサービスとは別ものと言っても過言ではないだろう。

まずセキュリティ面から説明しよう。IoTデバイスから発生するデータはクラウド上で管理されることが多い。しかし、接続するデバイスが本当に接続すべき相手かどうか分からない。インターネット経由で通信が行われるとき、盗聴されるリスクもある。特に黎明期のIoTデバイスから送信されるデータは、プレーンテキストの場合も多い。デバイスが送ったままの受信データならよいが、途中で改ざんされている可能性があるかもしれない。

従来のオンラインストレージは、通信経路のセキュリティ担保は限定的であった。データを暗号化したり、IPsec VPNで回線を暗号化するなどの対策を講じた上でインターネットを利用していた。一方、Neutrix Cloudでは、パブリッククラウドでは対応できないセキュア構成も可能だ。クラウドに自社基準のネットワーク機器を持ち込んだり、専用線を引き込んだり、閉域網に接続したりすることが可能だ。特にクラウドへのネットワーク機器の持ち込みは、日本ならではの構成があり、多くのユーザーに採用されている。

次にIoT化デバイスのデータを活用するためには、データの加工や分析が必要となる。そこでパフォーマンスが重要で、このパフォーマンスは、ネットワークとストレージに関する性能がある。まずネットワークのパフォーマンスに関しては、インターネットを利用してパブリッククラウドと接続する際にはレイテンシー、つまり遅延が課題となる。レイテンシーが大きくなると、現実的に使いものにならないという問題が発生することもある。

Neutrix Cloudでは、パブリッククラウドと近い距離のサービス拠点を利用することで低レイテンシーの実現や、Neutrix Cloudのオンプレミスクラウド、あるいはEdgeクラウド形態をとることで、ネットワークのパフォーマンスを向上させることが可能となる。

一方、ストレージに関しては、Neutrix Cloudは高速で信頼性、安全性に優れたストレージを採用しており、高品質にもかかわらず低価格で利用でき、容量単価とパフォーマンス単価に優れているという特徴がある。

Neutrix Cloudが訴求する3つのミッションとは何か?

Neutrix Cloud Japanは「データ主権は真の意味で顧客側にあるべき」と考え、そのミッションを実現するサービスを提供してきた。

ハイパースケーラーのクラウドサービスでは、データをアップロード時に課金せず、ダウンロード時に課金するという体系がほとんどである。容量が大きくなければ大きな問題にはならないが、データ量が加速度的に増える昨今、あとから別基盤で処理や高度な分析を行おうとすると、課金量が高くて、データを取り出すのが不可能に近くなる。

自社のデータなのに自由に活用できなくなり、実質上データがロックインされてしまう。とはいえ、ハイパースケーラーのクラウドサービスを排除して、システムを構成することは合理的な選択とは言えない。そこで、Neutrix Cloudでは、ハイパースケーラーをうまく活用しながら、データロックインからは解放される手段を提供している。

2つ目のミッションは、Neutrix Cloudによって、真のマルチクラウド利用を実現するサービスを提供することである。いまのマルチクラウドは、データが複数のクラウドサービスとオンプレミスに分散したサイロ状態で、管理も煩雑だ。いざデータを分析しようとしても、別基盤にコビーが必要になったり、無駄に複製されてしまったりする。その都度コストが掛かるし、セキュリティを保つのも難しくなる。Neutrix Cloudでは、サイロ化を伴わない真のマルチクラウド利用のための手段を提供している。

3つ目のミッションは、データの重要性に着目し、データの2次/3次利用を実現するサービスを提供していること。Neutrix Cloudは、大容量データをセキュアかつ安価に蓄積できるが、それがゴールではない。企業自身が重要なデータを使い倒し、新たな価値を創造することにある。それを実現するために、データを何度も利用できるスナップショット、アプリケーション、セキュリティ、パフォーマンスについてサービスを通して提供している。

Neutrix Cloud Japanは、中立的、公平性、データ転送料なし、パブリッククラウドとのハブ・ゲートウェイというキーワードを掲げながら、これからもクラウドの新たな選択肢を提供していく方針である。

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