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場所貸しは目的としない。
「安心安全テレワーク施設」 認証プログラム プレミアムグレード第1号 島根県松江市「enun」

enunの夢

2022年9月にオープンした島根県松江市ニューアーバンホテル内のコワーキングスペース「enun(縁雲)」。この施設は、日本テレワーク協会、セキュアIoTプラットフォーム協議会が推奨する、「安心安全テレワーク施設」 認証プログラムにおいて、「プレミアムグレード」を国内で初めて取得した施設である。開設して約半年になる、enunの今を視察すべく訪問した。

島根県松江市ニューアーバンホテル内のコワーキングスペース・enunの様子。

コロナ禍のなかで進められた働き方改革により、テレワーク施設は全国で急増している。WiFiがつながり、個室も準備され、飲み物も提供される便利な場所として、さまざまなテレワーク施設を利用したことがある人も多いであろう。“場所貸し”であれば、アクセスやコストなどが優先されるであろうし、そういったニーズも求められている。そんな中で、出会いがあり、マッチングがあり、新たなビジネスが創出されるメリットも注目されるようになり、多くのコワーキングスペースがそういったメリットを目指すようになってきている。

今回インタビューに対応していただいた、enun運営責任者である浅利観光株式会社 代表取締役社長 植田祐市氏もこの点について強調する一人だ。

同氏は「働き方改革のクオリティ、質感を向上させるための施設でありたいのです。松江のコミュニティと大都市でのコミュニティを繋いで融合させ、スタートアップ企業を生み出したい。ホテル内でありますが、単なる場所貸しというビジネスとは考えていません」と強調する。 さらに「なぜenunを使うか理解してもらい、ここに来たら誰かに会えるかも、誰かを紹介してもらえるかも、いま抱える課題の解決につながるかも、と期待してほしい」と続ける。

浅利観光株式会社 代表取締役社長 植田 祐市氏。島根県松江市ニューアーバンホテル内のコワーキングスペース・enunの運営責任者を務める。

この考えを構想だけでなく、リアルなものにするために、「コミュニティマネージャー」という役割のスタッフを常駐させているという。コミュニティマネージャーは、利用者に寄り添い、利用者同士をつなぎ、enunを利用することの有効性を支える。このスタッフが、松江での働き方改革を進め、松江を活性化し、起業家を育てるのだ。

「次に、この施設を使うかどうかは、ここに“どんな人がいるか”が最も大事なんです」と植田社長は力説する。

enunのコンセプトに賛同し、松江市役所、松江商工会議所、さらには島根大学、高専なども連携するようになっており、現在は産官学で本活動を加速させているところだ。利用者は、企業のサラリーマン、経営者、学生などに広がりをみせているそうだ。

「学生が地域の企業とつながり、新たな世界を経験する。ここでの経験が、起業したい、いつか島根に帰ってきたいというキモチにつながって欲しい。この循環が松江市の人口対策にもなれば、と大きな夢を持っているんです」(植田氏)。

開設から約半年で、1社の起業が決まったとのことだ。詳細まではお伺いできなかったが、こういったスピード感もenunのコンセプトが理解されている背景であろう。今後の動向もウォッチしていきたいところである。

プレミアムグレードの効果

enunが獲得した「安心安全テレワーク施設」 認証プログラムのプレミアムグレード。この日本初の獲得がどういったメリットをもたらしたかも確認した。

テレワーク施設のガイドラインへの適合性を審査し認証する本プログラムにおいて、テレワーク施設として対応が必須と考えられる基本対策と、システム面での必要な対応などの高度な応用対策を満たすものと認証された場合に、ネットワークとWi-Fiアクセスポイントの脆弱性診断など、テレワークを行う上で総合的な安全面での要件を備えた施設として「プレミアムグレード認証」を取得できる。

「プレミアムグレードに認定されたことで、県外の方には安心感があるということで、ニューアーバンホテルを宿泊ホテルとして選択してくれるというケースが増えていると思います。ただ、県内の方は、セキュリティ面というよりも、どちらかというと人とのつながりが利用の理由になっているようです」と植田氏は語る。 現在、地元企業数社が月額会員になってくれているが、ある企業の利用契約交渉において、セキュリティ面を確認されたときに、この「プレミアムグレード」を解説したところ、「セキュリティ面は問題ありませんね」と安心されて契約に至ったということもあったようだ。

利用者(学生)へのインタビュー

植田社長へのインタビュー当日、利用していた島根大学に通う、常森大地さんと藤田綾乃さんの二人に話を聞いた。

島根大学にてキャリアデザインプログラムを学ぶ常森大地さん(左)と藤田綾乃さん(右)

島根大学でキャリアデザインプログラムを学ぶ二人は、enunで開催されたイベントを機に通うようになり、今ではイベントを担うようになった。

「イベントを通じて企業の人と関われるようになりました。勉強になることが多く、いろいろな経験をさせてもらっています。自分も地域に貢献できればと考えています」と常森さんは語ってくれた。

常森さんの将来の夢は、海外でも活躍できる人材になること。一方、藤田さんは「チアリーディングの指導者として地元に貢献したい」と話す。 この二人の夢の実現もenunが後押ししてくれると期待したい。

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