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特殊詐欺・フィッシング詐欺に関するレポート

末尾「0110」の国際電話番号が急増、警察をかたるオレオレ詐欺に注意

特殊詐欺やフィッシング詐欺の対策サービスを提供するトビラシステムズ株式会社(以下「トビラシステムズ」)は、2024年7月に同社調査で確認された詐欺電話や詐欺SMSに関する独自調査レポートを公開した。(調査期間:2024年7月1日〜7月31日)

また、直近の同社調査で確認された傾向についても公開している。

<調査サマリー>
◉ 迷惑電話番号の割合は国際電話が再び増加し今年最多、携帯電話は減少
◉ 「+1」「+800」から中国語の自動音声ガイダンスの不審電話が発生
◉ 末尾「0110」の国際電話番号からの着信が急増、警察をかたるオレオレ詐欺か
◉ 金融・決済サービスや電力会社をかたる詐欺SMSの割合増加、宅配系は減少
◉ 「南海トラフ地震」便乗メールも 災害発生後の詐欺に注意

1. 詐欺電話レポート

○迷惑電話番号の割合は国際電話が再び増加し今年最多、携帯電話は減少

2024年7月に新たにトビラシステムズの迷惑電話番号データベースに登録された番号の種別割合は、前月に大きく減少した国際電話番号が73.6%(前月比+29.9%)と再び増加し、過去12か月間で最も高い数値となった。前月に大きく増加した携帯電話番号は減少して7.2%(前月比−23.0%)となり、国際電話番号と反対の動きを見せた。

固定電話番号の割合は前月から減少し5.0%(前月比−11.1%)、特定IP電話番号(050番号)は、前月から微増し10.5%(前月比+3.6%)となった。

○「+1」「+800」から中国語の自動音声ガイダンスの不審電話が発生

同社の調査で、2024年7月に着信件数が多かった国際電話の国番号は、上位からアメリカ合衆国やカナダなどの北米地域、国際フリーフォン、スリランカ、イギリス、ルーマニアであった。

北米地域の「+1」、国際フリーフォンの「+800」(注1)からの着信では、入国管理局や中国大使館などをかたる中国語の自動音声ガイダンスによる不審な電話が発生した。なお、「+80」や「+28」などの国番号として使用されていない番号からの着信でも同様に、中国語の自動音声ガイダンスによる不審な電話が確認されている。

【実際の音声】中国大使館をかたる自動音声ガイダンス(トビラシステムズYouTubeより)

(注1)通話料金を着信者が負担する着信課金電話番号。いわゆる世界共通のフリーダイヤル番号。着信課金電話番号への着信に適用されるものであり、着信課金電話番号から発信された場合の通話料金は着信課金電話番号(発信者側)が負担する。

○末尾「0110」の国際電話番号からの着信が急増、警察をかたるオレオレ詐欺か

末尾が「0110」の国際電話番号を使って警察の電話になりすました「オレオレ詐欺」の事案が発生している。末尾が「0110」の電話番号は主に国内の警察署で多用されていることから、各都道府県警察が注意を呼びかけている。

同社の調査で、2024年7月は、末尾が「0110」の国際電話番号からの着信件数が急増した。国番号別では、使用されていない国番号の「+803」、アメリカ合衆国・カナダなど北米地域の「+1」、アルバニアの「+355」からの着信が目立っている。また、これらの番号の中には、国番号を除いた部分が実在する日本の警察署の電話番号と一致するものも確認されている。

末尾が「0110」の国際電話番号を使った詐欺では、警察官になりすました人物が「あなたの携帯電話が不正利用されている」「あなたの口座が犯罪に利用されている」などと言い、資産の調査や預金の保護などの口実で金銭をだまし取る被害が発生している。また、電話から「LINE」などのメッセージアプリに誘導し、取り調べと称してビデオ通話を行ったり、偽の警察手帳や逮捕状の画像を送信したりする手口も発生している。

<参考資料>

警察をかたる詐欺が発生!(高知県警察)
https://www.police.pref.kochi.lg.jp/news/2024022700029/

警察官をかたるオレオレ詐欺に注意!(大阪府警察)
https://www.police.pref.osaka.lg.jp/ochikakunokeisatsusho/keisatsushobetsujoho/57/2/sagi/18352.html

<詐欺電話の対策>
◉電話で「お金」や「キャッシュカード」の話が出たら、まず詐欺を疑う
◉あやしいと感じたらすぐに電話を切り、家族や信頼できる人、最寄りの警察署、警察相談専用電話(#9110)などに相談する
◉迷惑電話対策サービスを活用し、特殊詐欺や悪質商法などの電話を自動で遮断

2. 詐欺SMSレポート

○金融・決済サービスや電力会社をかたる詐欺SMSの割合増加、宅配系は減少

トビラシステムズの調査で、2024年7月に確認されたフィッシング詐欺のSMSの種別割合は、金融・決済サービスをかたる手口が61.8%を占めた。宅配事業者をかたる手口の割合は11.3%と前月より大幅に減少した。

また、その他の事業者をかたる手口の割合が前月から増加し24.3%となった。主に電力会社をかたるSMSの多発が要因となっている。

○「三菱UFJ銀行」「東京電力」をかたるSMSが目立つ

実在する企業やブランドの名前をかたる詐欺SMSについて、2024年7月は「三菱UFJ銀行」をかたる手口が1か月を通して多発した。中旬から下旬にかけては「東京電力」をかたる手口が出現した。

<参考資料>

フィッシングによる不正送金被害が急増しています!(三菱UFJ銀行)
https://www.bk.mufg.jp/info/security/caution_phishing.html

東京電力(TEPCO)を装った SMSフィッシング詐欺にご注意ください!(東京電力エナジーパートナー)
https://www.tepco.co.jp/ep/support/sms/phishing/index-j.html

詐欺SMSの検知状況をリアルタイムに観測し可視化する「詐欺SMSモニター」で、詐欺SMSに関する最新情報をご確認ください。

詐欺SMSモニター
https://smon.tobila.com

3. <トピック>「南海トラフ地震」便乗メールも 災害発生後の詐欺に注意

2024年8月8日に、日向灘を震源として、宮崎県で最大震度6弱の地震が発生した。これを受け、気象庁はその後「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。

大きな災害が起こった際には、便乗した特殊詐欺、フィッシング詐欺のSMSやメール、SNS上の偽情報(デマ、フェイクニュース等)が発生する場合がある。

同社の調査では、今回の日向灘の地震発生後、「南海トラフ地震災害義援金」と称してオンラインで送金を求める不審なメールが多数確認された。

このような災害発生に便乗した不審なメールやSMSにご注意ください。災害以外にも、社会情勢に大きな変化が起こった際には便乗した詐欺や不審な電話・メール・SMS等が発生しやすくなるため、十分ご注意ください。

<関連資料>

・社会情勢に便乗したフィッシング詐欺に注意!(特殊詐欺情報局 by トビラシステムズ)
https://note.com/tobila/n/n6a62d4635fda

・災害に便乗した詐欺や悪質商法に注意!(特殊詐欺情報局 by トビラシステムズ)
https://note.com/tobila/n/n5fa15428e2d1

出典:PRTimes トビラシステムズ 特殊詐欺・フィッシング詐欺に関するレポート(2024年7月)

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