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IDC Japan、AIデータセンターネットワークとセグメンテーションに関する最新分析を発表

国内イーサネットスイッチ市場は2029年に489億円へ成長と予測

IT専門調査会社であるIDC Japan株式会社は、AIデータセンターネットワークおよびネットワークセグメンテーションに関する最新の分析結果を発表した。

今回の分析では、AIのプラットフォームやアプリケーションを支えるインフラとして重要性を増すAIデータセンターネットワークについて、特にGPUサーバーやストレージを接続するバックエンドネットワークの進化に焦点を当てている。従来のネットワークと異なり、AI学習に最適化された設計が求められる中で、InfiniBandが中核的な技術として広く利用されてきたが、近年ではイーサネットの採用も現実的な選択肢として浮上している。

IDCは、イーサネットが持つ「習熟度の高い技術」「成熟した運用管理体制」「高い拡張性」「広帯域化の明確なロードマップ」「参入ベンダーの多さ」といった特性に加え、今後は「マルチテナンシー機能」がイーサネットの導入促進要因になると分析している。

こうした背景を踏まえ、IDCでは初めて国内AIデータセンター向けイーサネットスイッチ市場の規模を算出した。これによると、2024年から2029年にかけて同市場は年平均成長率(CAGR)42.0%で推移し、2029年には489億円に達すると予測している。ただし、AI市場の変化スピードと不確実性を踏まえ、この予測を下回る可能性もあるとして慎重な見通しも示している。

一方、ワークロードセキュリティの観点から再評価が進むセグメンテーションについても今回の分析で取り上げられている。マイクロセグメンテーションとも呼ばれるこの手法は、ネットワークをアドレスやユーザーの役割、アプリケーション、データアクセス権限に応じて分割し、セキュリティと業務効率を高めるものである。

セグメンテーションは新しい技術ではないが、近年再び注目されている背景には、「ラテラルムーブメント(横方向への侵害)の防止策としての期待」「事前対策の重要性の増加」「技術への認知向上」があるとIDCは指摘している。加えて、ソリューション自体の進化やベンダー各社の市場への注力度が、日本国内市場の活性化にもつながっている。

IDC Japan株式会社のInfrastructure & Devices部門シニアリサーチディレクターである草野賢一氏は、「セグメンテーションのバリュープロポジションを再定義し、広範な顧客層に対して訴求することが必要である」と述べたうえで、「可視化・柔軟性・自律性を備えたセグメンテーション機能を、脅威侵入を未然に防ぐサイバーハイジーンの観点から有効な手段として位置づけるべきである」と強調している。

本発表の詳細は、IDCが発行したレポート「2025年 国内データセンターネットワーク/セキュリティ市場動向分析:AIデータセンター、セグメンテーション」にまとめられており、AIデータセンター関連のネットワーク構成、セグメンテーションの最新動向、国内市場予測、ベンダーの戦略動向などが収録されている。詳細についてはIDC Japanに問い合わせることで確認可能である。

出典:IDC AIデータセンターネットワークとセグメンテーションに関する調査結果を発表

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