中小企業ITを「つなぐだけ」に
シスコとNTT東日本が新サービス構想を共同発表
シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)と東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)は、2025年6月、中小企業向けのITソリューションサービス構想に関する業務提携契約を締結したと発表した。本構想は、「つなぐだけでできるITへ。デジタルの恩恵をすべての人に」をテーマとし、ITの複雑化や人材不足といった中小企業特有の課題に対応することを目的としている。
背景:中小企業のIT課題に着目
日本の中小企業は現在、以下のような深刻なIT課題に直面している。
- 人材と知識の不足:IT人材の確保が困難であり、経営層のITリテラシーも限定的である。
- セキュリティ対応の難しさ:大企業との取引条件に対応する高度なセキュリティ要件を理解し、実装することが困難。
- ネットワーク管理の複雑化:クラウド利用の拡大やサイバー脅威の多様化により、運用負荷が増加している。
- コストと柔軟性の両立:限られた予算内で効果を最大化する手段が求められている。
これらの課題を踏まえ、両社は中小企業のデジタル変革を支援する新たなサービスの共同検討を開始した。
サービス構想の特長:安全・簡単・柔軟を両立
本構想では、以下の5つの要素に基づいたサービス設計を目指している。
(1)革新的な接続体験
「回線につなぐだけで端末がクリーンに保たれる」仕組みを提供し、セキュアかつシンプルな導入を実現する。
(2)ネットワークのオブザーバビリティ
リアルタイムでトラフィックやシステムの状態を可視化し、異常の早期検知と対応を可能にする。
(3)大企業基準のセキュリティ対策
24時間365日の自動監視により、最新の脅威にも対応。取引先から求められるセキュリティ基準への適合を支援する。
(4)シンプルな料金体系
月額定額制を採用し、予算管理の負担を軽減。中小企業でも導入しやすいモデルを提供する。
(5)柔軟なスケーラビリティ
企業の規模や成長ステージに応じて、機能の拡張やカスタマイズが可能な構成を目指す。
実証実験と今後の展望
今後、両社はこの構想の実効性を検証するために実証実験を実施する予定である。中小企業の実際の業務環境における運用性や導入効果を評価し、最適な形でのサービス提供を目指す。
この構想により、中小企業は専門知識や複雑な導入プロセスを必要とせずに、大企業レベルのIT環境を利用できるようになる。結果として、業務効率の向上と競争力強化が期待される。
関係者コメント
シスコシステムズ合同会社 社長執行役員 濱田 義之氏
「オブザーバビリティとセキュリティ強化により、中小企業でも手軽に大企業基準のIT環境を実現していただける未来を目指します。今後もNTT東日本様と共に取り組みを進めます。」
東日本電信電話株式会社 代表取締役副社長 星野 理彰氏
「本構想を通じて、“最先端のITを、簡単かつ安全に”という価値を提供し、日本の中小企業の成長と日本経済の活性化に貢献してまいります。」
出典:PRTimes シスコとNTT東日本「中小企業の未来を支える」ネットワーク×セキュリティの新サービス構想を共同発表