サイバー犯罪の現状:理解不足と世代別意識の違い
トビラシステムズ株式会社は、生活者のサイバーセキュリティに対する関心度を把握し可視化することを目的に、サイバー犯罪に関するアンケート調査を実施した。調査結果からは、サイバーセキュリティの理解不足や、若年層を中心とした“ヒヤリハット”経験の存在など、生活者の認知と実態の間にあるギャップが確認された。
調査概要
近年は企業を狙う大規模なサイバー攻撃だけでなく、個人のスマートフォンを標的としたフィッシング詐欺や特殊詐欺、SNS型詐欺など、生活者に身近なサイバー犯罪が増加している。さらに、2025年12月18日に施行された「スマホ新法(スマホソフトウェア競争促進法)」により、アプリ利用の自由度が高まる可能性がある一方、マルウェアによる被害などへの懸念も指摘されている。
こうした状況を踏まえ、生活者がどの程度サイバーセキュリティを認知し、リスクに対してどのような意識・行動を取っているかを把握するため、本調査が実施された。
調査の概要は以下の通り。
- 調査実施会社:トビラシステムズ株式会社
- 実施期間:2026年2月9日〜10日
- 対象:全国の15〜69歳の男女
- 有効回答数:1,349
- 調査方法:インターネット調査
約7割が「サイバーセキュリティ」の意味を理解せず
「サイバーセキュリティ」という言葉の認知状況を尋ねたところ、「よく知っている」は27.1%にとどまった。一方、「聞いたことはあるが、意味は知らない」が47.7%で最多となり、「全く知らない」も25.1%に上った。
これらを合わせると、全体の約7割が言葉の意味を理解していないことになり、認知は一定程度進んでいるものの、理解の浸透には依然として課題がある状況が示された。

日常生活で6割がセキュリティを意識せず
日常生活の中でサイバーセキュリティを意識する頻度については、「よくある / 時々ある」が36.9%にとどまった。これに対し、「あまりない / 全くない」は63.1%となり、6割以上が日常的にセキュリティを意識していない実態が明らかになった。
意識しない理由として最も多かったのは「興味がないから」(34.5%)で、次いで「難しそうだから」(29.5%)、「サイバーセキュリティが何かわからないから」(24.4%)が続いた。心理的なハードルや認知不足が背景にあると考えられる。
さらに、「身近な問題と感じないから」(18.6%)、「自分には関係ないと思うから」(9.4%)といった回答もみられ、サイバーセキュリティを“自分ごと”として捉えられていない層の存在が浮き彫りとなった。


サイバー犯罪手口の認知に世代差
代表的なサイバー犯罪の手口の認知度では、「フィッシング詐欺」が51.1%で最も高く、「ニセ警察詐欺」は48.3%であった。一方、「サポート詐欺」は47.5%、「マルウェア」は44.3%が「全く知らない」と回答しており、理解が十分に浸透していない分野も存在する。
年代別にみると、「ニセ警察詐欺」について40代〜60代では8割超が認知しているのに対し、被害が多い20代・30代では「全く知らない」が3割を超え、認知と被害の間にギャップが確認された。


リスク認識は二分、若年層は“油断”傾向
「サイバー犯罪の被害にあう可能性があると思うか」との質問では、「非常に / ややそう思う」が54.1%となり、半数超が一定の危機感を持っている。一方、45.9%は「あまり / 全くそう思わない」と回答し、リスク認識が二分されている実態が明らかになった。
リスクを低く見積もる理由としては、「これまでに被害にあったことがないから」(55.8%)、「自分の判断力を信じているから」が23.7%となった。年代別分析では、10代〜40代は前者の割合が約6割と高く、若年層・現役世代では過去の未被害経験による“油断”がリスク過小評価につながる可能性が示された。
一方、50代〜60代では「自分の判断力を信じているから」が30%を超え、“過信”がリスク要因となる可能性が示唆された。


不審メール・SMSは7割が受信
不審なメールやSMSを受信した経験については、「ある」が74.4%に達した。多くの生活者にとって、不審メッセージは身近な脅威となっている。
受信経験者のうち約9割は「触らずに無視した」と回答したものの、「途中まで対応してしまった(被害なし)」は12.9%存在した。年代別では、20代・30代で“ヒヤリハット”や被害経験の割合が相対的に高い傾向が確認された。


“本物らしさ”が判断ミスを誘発
不審メールやSMSに対応してしまった理由では、「リンク先のサイトが本物のように見えたから」(49.4%)が最多で、「メール・SMSの文章が本物のように見えたから」(46.3%)、「実在する企業や組織のロゴが使われていたから」(40.9%)が続いた。
同社は、視覚的な“本物らしさ”が人間の判断ミスを誘発している実態を示す結果としている。

約4割がスマホのマルウェアリスクを認知せず
不正アプリのダウンロードなどによるスマートフォンのマルウェア感染リスクについて、「知らなかった」と回答した人は36.9%であった。
同社は、「スマホ新法」によりアプリ利用の自由度が高まる可能性がある中、利用者側の自己防衛意識の重要性が増していると指摘している。
出典:PRTimes 【サイバーセキュリティ月間】サイバー犯罪に関するアンケート調査 7割が不審メール・SMS受信、20〜30代「だまされかけた経験」顕著に