総務省、「サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞」受賞者を発表
総務省は、令和7年度の「サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞」の受賞者を決定したと発表した。今回の受賞者は、個人2名、団体2者。
同賞は、サイバーセキュリティ対応の現場で顕著な功績を挙げた個人・団体を表彰する制度で、2017年度から実施されている。優れた取り組みを広く周知することで、サイバーセキュリティに対する意識向上と対策強化につなげる狙いがある。
サイバー脅威の拡大を背景に表彰制度を推進
近年、サイバー空間と実空間の融合が進む中、利便性の向上と引き換えにサイバーリスクも増大している。総務省は、安心・安全な国民生活や経済活動の維持に向け、サイバーセキュリティの確保を重要課題と位置付けている。
こうした背景のもと、同賞では今後のさらなる活躍が期待される人材や団体を顕彰している。
研究・実務・教育など幅広い分野から選出
今回の受賞者は、有識者で構成される選考委員会の審査を経て決定された。
個人部門では、九州大学の小出 洋 教授と、ディー・エヌ・エー(DeNA)の松本 隆 氏が受賞した。
小出氏は、長年にわたり研究・教育の最前線で人材育成に取り組み、体験型演習などを通じて地域企業の実践力向上にも貢献。研究・教育・実務を横断した活動が評価された。
松本氏は、デジタルフォレンジックの専門家としてサイバー犯罪対応に従事するとともに、暗号資産やSNSの不正利用に関する情報発信やコミュニティ活動を通じ、実務と啓発の両面で貢献した点が評価された。
学生主体の活動やプライバシー技術の推進も評価
団体部門では、香川大学の学生団体「SETOKU」と、プライバシーワークショップ組織委員会が選出された。
SETOKUは、警察などと連携し、フィッシングサイトの発見・通報支援や若年層向けの教育活動、SNSを活用した啓発活動を展開。地域に根差した実践的な取り組みを継続している点が評価された。
一方、プライバシーワークショップ組織委員会は、産官学の連携によるコミュニティ形成や、データ活用とプライバシー保護の両立をテーマとしたコンテストの開催などを通じ、先進技術の普及と人材育成に寄与してきた。
人材・コミュニティの底上げを重視
今回の受賞内容からは、研究者や実務家に加え、学生やコミュニティといった多様なプレイヤーがサイバーセキュリティの担い手として重要視されていることがうかがえる。
総務省は、こうした取り組みの可視化と評価を通じ、我が国全体のサイバーセキュリティ水準の底上げを図る方針だ。
出典:「サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞」の受賞者の決定