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セキュリティ人材不足を解消する方法とは?原因や育成のコツも紹介!

デジタル化が加速する現代において、サイバー攻撃のリスクは年々高まりを見せています。

企業活動においても、情報資産や業務システムを守る「セキュリティ対策」は、もはや欠かせない取り組みです。

とはいえ、万全なセキュリティ体制を構築するためには、専門知識を持った「セキュリティ人材」を確保しなければなりません。

しかし、現在では業種や企業規模を問わず、多くの企業がセキュリティ人材の不足で悩んでいます。

そこで今回は、セキュリティ人材不足が起こる原因や解消法、人材を育成するコツについて詳しく解説していきます。

セキュリティ人材の現状

専門知識と技術を持ったセキュリティ人材は、企業そのものを守るための重要なキーパーソンともいえる存在です。

しかし、現時点ではセキュリティ人材の不足が深刻化しています。

経済産業省が発表したデータによると、セキュリティ分野の人材不足は日本全体で19万人以上にも上るといわれています。

(参考:セキュリティ人材育成の最前線~NICTにおけるセキュリティ人材育成事業~

このまま人手不足が加速すると、進化するサイバー攻撃や情報の変化に対応できず、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性が高くなるため、早急に対処しなければなりません。

セキュリティ人材が不足している理由

セキュリティ人材が不足している理由は、主に以下3つです。

・人材育成のハードルが高いから
・雇用にコストがかかるから
・人材育成に取り組んでいない企業が多いから

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

人材育成のハードルが高いから

セキュリティ分野は、技術の進化や変化が非常に早く、常に最新の脅威動向や防御技術をインプットし続ける必要があります。

また、セキュリティ人材には専門知識だけでなく、継続的な学習意欲と高い実践力が求められ、育成のハードルが極めて高いです。

さらに、サイバーセキュリティはIT全般の基礎知識に加えて、

・ネットワーク
・暗号技術
・法規制
・リスク管理

といったさまざまな知識が必要であり、短期間の教育で実践レベルの人材を育てるのがやや難しいです。

このような背景から、自社でゼロから人材を育成しようとする企業が少なく、人材不足に拍車がかかっています。

雇用にコストがかかるから

セキュリティ人材は、世界的にも需要が高く、転職市場においても年収水準が上昇傾向にあります。

特に高度なスキルと知識、それから経験を持つ人材を中途採用で確保する場合、人件費がIT部門の多職種と比べて高額になりやすいです。

このようなことから、予算に余裕のない中小企業や地方企業にとっては、比較的ハードルの高い取り組みといえます。

また、好待遇で人材を募集したとしても、魅力的なキャリアパスや社内体制が整っていなければ人材が定着しにくく、場合によっては採用が長期化もしくは失敗に終わってしまこともあります。

人材育成に取り組んでいない企業が多いから

セキュリティ人材の育成に取り組んでいない企業が多いことも、現代のサイバーリスクに対応できる人材が不足している理由の1つです。

人材育成に取り組んでいない企業が多い理由としては、さまざまなことが考えられますが、中でも多いのが「リソース不足」です。

セキュリティ人材の育成を行いたくても、人的あるいは金銭的コストなどがネックとなり、実施できていない企業が多く存在しています。

セキュリティ人材に求められるスキル

サイバー攻撃の脅威が加速している現代では、より高度な知識とスキルを持ったセキュリティ人材が求められています。

以下、セキュリティ人材に求められている具体的なスキルを見ていきましょう。

最新の技術やシステムに関する知識

サイバー攻撃は日々進化しており、それに対応するためには最新技術やシステム構成、クラウドサービスやAIといったさまざまな分野の知識が必要です。

また、IT分野の情報変化スピードは非常に早いため、業界トレンドをいち早くキャッチアップし、それを実践に落とし込む対応力も求められます。

セキュリティリスクへの知識

セキュリティ人材には、企業にとって脅威となるサイバーリスクを体系的に理解する力が必要です。

マルウェア感染やランサムウェア攻撃、内部不正や物理的侵入といったさまざまな脅威とそれに伴うリスクを把握し、想定被害や優先度を考慮した上で対策を提案できる力が求められます。

セキュリティ対策に関する知識

セキュリティ人材には、リスクを把握するだけでなく、具体的な対策を講じる力も必要です。

ファイアウォールやIDS/IPS、EDRやアクセス制限、暗号化技術といったあらゆる仕組みを理解し、システムに適切に盛り込むスキルがマストといえます。

また、ツールの導入だけでなく、セキュリティポリシーの策定や運用、従業員教育や監視対策といった技術と組織運営の両面における知識も重要です。

セキュリティ人材不足を解消する方法とは?

慢性的なセキュリティ人材不足が問題視されている昨今では、脅威に対抗できるほどのスキルを持った人材がいないと嘆く経営者や担当者が増えています。

では、一体どうすればセキュリティ人材不足を解消できるのでしょうか。

具体的な対策を2つ紹介していきます。

優秀な人材を採用する

セキュリティ分野においては、即戦力となる人材の採用が理想です。

新たに人材を育成するのも1つの方法ではありますが、それにはある程度の時間とコストがかかります。

一方、既に知識とスキルのある人材を採用できれば、すぐに自社のセキュリティ強化を進められます。

ただし、セキュリティ人材は現在とても貴重な存在となっており、競争が激しいため、採用戦略には工夫が必要です。

人材育成の仕組みを構築する

新規採用と同時に人材育成の仕組みを構築することで、万全なセキュリティ体制を整えられます。

定期的に社内研修を実施したり、外部講師を招いてセミナーを行ったりすることで、既存従業員のスキルアップを図れるとともに、セキュリティ意識の向上に繋げられるでしょう。

ただし、即戦力となる人材を獲得したい場合や、今すぐに自社のセキュリティを万全にしたい場合は、人材育成よりも新規採用の方が適しているため、状況に合わせて判断することが大切です。

セキュリティ人材を育成するコツ

自社でセキュリティ人材を育成するには、単なる座学だけでなく、実務に即した教育体制の整備が必要不可欠です。

まずは現場の業務に直結する課題から着手し、セキュリティリスクの認識や対応手順、ツールの使い方といった基本スキルを段階的に習得させましょう。

以下では、具体的な育成方法として「ツール活用」と「外部研修」のポイントを紹介します。

ツールを活用する

セキュリティ教育の効率を高める上で、eラーニングやシミュレーションツールの活用は非常に有効です。

サイバー攻撃が高度化しており、セキュリティ対策の重要性がさらに問われている昨今では、さまざまなシーンを想定したトレーニングが行えるツールが登場していますので、必要に応じて取り入れてみてください。

ただし、ツールの導入にはコストがかかるケースもあるため、予算や目的、費用対効果などを加味しつつ、慎重に検討していきましょう。

外部研修も視野に入れる

社内にセキュリティ教育の専門知識やリソースが不足している場合は、外部研修を取り入れるのがおすすめです。

セキュリティ専門機関による実践研修などを活用することで、より高度なスキルを効率的に習得できます。

近年では、オンラインで受講可能な研修も充実しており、時間や場所の制約を受けにくくなっているため、従業員の負担を軽減したい場合はぜひ検討してみてください。

まとめ

セキュリティ人材不足の解消には、即戦力の採用だけでなく、育成体制の確立が重要です。

教育に当たっては、ツールの活用や外部研修の導入など、さまざまな方法があります。

また、セキュリティ対策は一部門だけの問題ではなく、企業全体としての課題であるため、経営陣を含め全ての従業員が意識改革や知識のアップデートを行うべきです。

サイバー攻撃は決して他人事ではなく、全ての企業にリスクがありますので、早急に対策を講じましょう。

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