こんな相談が多かった! IPAの情報セキュリティ安心相談窓口、ランキング7を発表
情報処理推進機構(IPA)は7月20日、2021年第2四半期(4月~6月)における「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況」(https://www.ipa.go.jp/files/000092568.pdf)について発表した。なお2021年4月27日~6月20日の期間は、新型コロナウイルスの感染拡大防止と、職員の安全確保を図るために相談電話の対応業務を停止しており、電子メール、FAX、郵送での相談件数の統計になっている。
●巧妙な手口に注意! 似たようなシーンに気をつけたい
今四半期の「情報セキュリティ安心相談窓口」の相談員対応件数は1,827件で前四半期から約12%増となった【★写真1】。
このうち、相談件数の多い事案のランキングは以下の通りだ【★写真2】。
【1位】「宅配便業者をかたる偽SMS」
前四半期から約43.2%増の345件ほど相談が寄せられた。これは「お客様宛にお荷物のお届けにあがりましたが不在の為持ち帰りました。配送物は下記よりご確認ください。」という不在通知をよそおったSMSから偽サイトに誘導する手口だ。内容は細かい部分で変化し続けているので、今後も注意が必要だ【★写真3】。対処法の詳細はIPAのサイト(https://www.ipa.go.jp/security/anshin/mgdayori20200220.html)を参照のこと。
【2位】「ウイルス検出の偽警告」
前四半期から約5.7%減の232件になったが、まだ2位なので相談が多い手口だ。「パソコンがウイルスに感染している」など、ウイルスを検出したという偽警告で不安を煽り、電話をかけさせてサポート契約や、有償ソフトウエアを購入させるものだ。相談件数に増減はあるものの、現在も継続して相談が寄せられているので注意が必要だ【★写真4】。対処法の詳細はIPAのサイト(https://www.ipa.go.jp/security/anshin/mgdayori20180718.html)を参照のこと。
【3位】「仮想通貨で金銭を要求する迷惑メール」
前四半期から約24.5%減の154件の相談が寄せられた。これは「アダルトサイトを閲覧しているあなたの姿をウェブカメラで撮影した。家族や同僚にばらまかれたくなければ仮想通貨で金銭を支払え」というメールで、その支払いを仮想通貨で要求するもの。本手口で支払いに応じず映像などが拡散された事例はIPAでは1件も確認されていない。無視するようにアドバイスしている【★写真5】。
【4位】「iPhone に突然表示される不審なカレンダー通知」
前四半期から約38%増の109件の相談があった。これは、iCloudやiPhoneのカレンダーの機能を悪用して、他人のカレンダーに不審な書き込みを行う手口だ。iPhoneのカレンダーに身に覚えのないイベントが入った場合は注意が必要だ。対処法の詳細はIPAのサイト(https://www.ipa.go.jp/security/anshin/mgdayori20200330.html)を参照のこと。
【5位】「不正ログイン」
前四半期から10%増の55件となった。SNS、ショッピングサイト、クラウドサービスなど、各種インターネットサービスにおいて、第三者にIDやパスワードを不正利用されたことに関するものだ。
【6位】「ワンクリック請求」
前四半期と同数の30件だった。さまざまな手口があるが、たとえばパソコンにアダルトサイトの請求画面が表示され、その画面を閉じたり、パソコンを再起動しても繰り返し表示され、ワンクリック請求に誘導される。対処法にはシステムの復元やパソコンの初期化などがある。詳細はIPAのサイト(https://www.ipa.go.jp/security/topics/alert20080909.html)を参照のこと。
【7位】「Facebookのメッセンジャーに届く動画」
前四半期より約57.1%減の3件の相談のみだった。動画のメッセージは、友達が乗っ取り被害を受けて送信されたもので「この動画はいつですか?」という動画のようなメッセージを送りつける手口だ。タップしても動画は再生されず、Facebookのアカウント情報を詐取する偽ページが表示される。動画を装ったメッセージをタップしない、あるいは偽サイトにアクセスしただけで情報を入力しなければ被害は発生しない【★写真6】。
このように悪質なフィッシング詐欺の手口は日々進化しているが、もし似たようなシーンに出会ったら、IPAのサイトなどを確認し、だまされないようにしたい。