日本テレワーク協会 セキュア IoT プラットフォーム協議会
『安心安全テレワーク施設ガイドライン』を公開
一般社団法人日本テレワーク協会と一般社団法人セキュア IoT プラットフォーム協議会は、協同で策定した「安心安全テレワーク施設ガイドライン(第1版)(以下「ガイドライン」)を公開した。
コワーキングスペースやレンタルオフィスなどの共同利用型オフィス等※1 における、サイバーセキュリティに係る課題と対策については、令和元年7月に「共同利用型オフィス等で備えたいセキュリティ対策について」を公表し、その後、総務省の令和3年度事業「情報通信利用促進支援事業費補助金(地域サテライトオフィス整備推進事業)」※2が開始されたことを契機に、令和3年3月に、同第2版が公表された。
今回の改定では、シェアオフィス、サテライトオフィス、レンタルオフィス、サービスオフィス、コワーキングスペース、フレキシブルオフィス等テレワーク施設(以下「テレワーク施設」)で必要となるセキュリティ対策を見直すとともに、作業環境と施設環境における課題と対策を追加することで、より総合的なテレワーク施設の安全性を確保するための、全7章、55 の対策、25 の具体的対策事例、チェックリストから成るガイドラインとし、新たに「安心安全テレワーク施設ガイドライン」として公表した。
本ガイドラインに係る内容については、日本テレワーク協会会長の栗原博が委員長を務める「安心安全テレワーク施設ガイドライン策定委員会」を設置し、審議の上、策定された。本委員会は企業経営者、学識経験者、社会保険労務士、サイバーセキュリティ関連団体、コワーキングスペース関連団体等から委員が参加し、総務省、厚生労働省、経済産業省がオブザーバーとして参加で構成されている。
新型コロナ感染症対策として一挙に拡大したテレワークは、社会的に受け入れられてきている一方で、在宅勤務については自宅等に執務専用のスペースを確保することが難しい上に、家族等への配慮からも効率的に働けない、オンオフの切り替えが難しいことなどに加え、心身の健康維持管理面、セキュリティ面などの課題があることも分かってきている。また、テレワークも活用することで都市の中心部にあるオフィスの縮小や、単身赴任の解消も進みつつある。
そういった状況下で、テレワーク施設は、近年大都市圏だけでなく地方においても供給が拡大し、利用者も増加する傾向が続いている一方で、現状ではテレワーク施設に特化した法令等の基準が存在しないため、その安全性を確保する上での方向性を示すことが、施設運営事業者および施設利用者の双方にとって必要性が高まってきたと考えらている。本ガイドラインを活用することで、安全なセキュリティ環境、作業環境を備え、安心して働けるテレワーク施設が拡大し、より効率よく、かつ成果も上がる働き方が定着するが期待される。
本ガイドラインは日本テレワーク協会のホームページからダウンロードが可能だ(ダウンロードはこちら)。そして、テレワーク施設運営事業者等への本ガイドラインに係る説明会も今後開催していくとしている。日本テレワーク協会とセキュア IoT プラットフォーム協議会は、政府のテレワーク推進施策とも連携しながら、自治体や民間が運営する各種テレワーク施設や自社専用のサテライトオフィスなどにおいて、安全性の高い施設が整備されるよう支援していく予定。
※1 共同利用型オフィス等とは、民間企業および自治体や行政が運営するテレワーク施設を指します。
※2 総務省の令和3年度事業「情報通信利用促進支援事業費補助金(地域サテライトオフィス整備推進事業)」においては、「共同利用型オフィス等で備えたいセキュリティ対策について(第2版)」の基本対策が、提案事業のセキュリティに関する要件。