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サイバートラスト、AlmaLinuxコミュニティにジョイン! 米国CloudLinuxとの提携でOSSセキュリティ・サービスも提供

5月22日、サイバートラスト株式会社(以下:サイバートラスト)はOSSコミュニティへのジョインと、ディストリビューターとの協業という2つのトピックスを発表した。1つ目はAlmaLinuxコミュニティへの参画で、もう1つはCloudLinuxとの協業である。これらにより両者の強みを生かしたシナジー効果を発揮し、付加価値のあるセキュアなRHELクローンを効率的に提供できるようになる。

2023年5月22日 記者発表より(写真左から)
サイバートラスト株式会社 執行役員本部長 吉田 淳 氏
Chair of the AlmaLinux OS Foundation benny Vasquez 氏
サイバートラスト株式会社 代表取締役社長 眞柄 泰利 氏
CEO at CloudLinux Inc.  Igor Seletskiy 氏
サイバートラスト株式会社 執行役員本部長 鈴木 庸陛 氏

セキュリティで定評のあるMIRACLE LINUXとAlmaLinuxが1つに!

ご存じのとおり、いよいよ来年の2024年6月末でCentOSのサポートが終了する。それ以降はCentOS Linux(以下、CentOS)のアップデートはなく、脆弱性やバグの対応も完全に終了してしまうことになる。そのような中でサイバートラストは、RHELクローンOSとして「MIRACLE LINUX」を無償公開する一方で、ユーザーの移行期間に配慮してCentOSサポートの延長サービスも提供しているところだ。 MIRACLE LINUXは、2001年より国産Linuxとして提供が始まった実績のあるRHELクローンOSだ。産業用PCにおけるプリインストール版Linuxとして国内シェアNo.1を誇っているが、特にOSSセキュリティに注力しており、サプライチェーンを含むセキュリティを意識した、ソフトウェア部品表の「SBOM」(Software Bill Of Materials)への対応も進めている。

一方で、今回のジョイン相手となるOSSコミュニティ「AlmaLinux OS Foundation」も、RHELクローンOSの「AlmaLinux OS」をOSSコミュニティ活動のなかで開発しているため、今後の選択肢として考えられるだろう。AlmaLinuxには、世界的に400万ものアクティブユーザーがおり、セキュリティの国際標準規格に適合し、前出のSBOMを提供しているという特徴がある。

AlmaLinux OS Foundationへのジョインにより、サイバートラストは日本企業で初めて国際標準Linuxの開発にプラチナスポンサーとして参画予定。

現状では、まだCentOSのユーザーは3割以上も残っている状況だが、いずれ来年までには必ずどこかのディストリビューションに移行しなければならない。そのような背景の中で今回、サイバートラストとAlmaLinuxがジョインすることで、それぞれのコミュニティの強みを生かして、あらゆるユーザーに必要十分なRHELクローンOSを提供していくとを目指していくという。 サイバートラストは、AlmaLinux OS Foundationのプラチナスポンサーとして参加し、さらに開発コミュニティにも同社のエンジニアがフルタイムで参加する。またAlmaLinuxの情報を共有し、日本国内に情報を発信していく。

AlmaLinuxコミュニティへのサイバートラストの3つの貢献。「安心、安全、長期、迅速」を世界に届けていくという。

これによりAlmaLinuxは、技術やリソース、資金面で継続的なメリットが得られ、すべてのLiunxユーザーに「迅速・安全・安心・長期対応」のLinuxを継続して提供できるようになる。またサイバートラストが得意とするセキュリティ分野においてもSBOMを活用した貢献ができるだろう。

これまでサイバートラストが積み上げてきた実績をAlmaLinuxコミュニティへ集積してシナジー効果を発揮していく。

いま実際に重要インフラへのセキュリティ対策など、国際的に準拠すべき規格策定も注目を浴びている。たとえば、この3月初旬に発行された米国国家サイバーセキュリティ戦略での第一目標は「重要インフラを守る」である。ここで合計16の産業分野に対するセキュリティ対策の強化を推進している。こういったセキュリティへの対応は今後ますます重要になってくるはずだ。

さて、今後のMIRACLE LINUXの予定についてだが、バージョン8と9についてはマイナーアップデートも含めてEOLまでサポートを継続していくが、それ以降のバージョン10からはAlmaLinuxと合流していく予定だ。すでにサイバートラストのエンジニアがAlmaLinuxコミュニティに本格的に参画しているため、同社のノウハウとDNAがAlmaLinuxに盛り込まれていくことになるという。

MIRACLE LINUXとAlmaLinuxの今後の展開。MIRACLE LINUXバージョン10からはAlmaLinuxと合流し、あらたなAlmaLinuxがサポートされる。

米国CloudLinuxと提携し、OSSセキュリティを安心・安全に運用できるサービスメニューを用意

もう1つのトピックスは、サイバートラストと米国CloudLinuxがビジネス提携することで、OSSセキュリティに対するシナジー効果を発揮できるようになることだ。
CloudLinuxは、前出のAlmaLinux OS Foundationにスポンサードしている企業だ。

この企業提携によって、以下のような複数サービスの提供を予定している。10年単位(ソフトウェアのリリースから最大で16年間)での長期サポートが可能な「AlmaLinux Standardサポート」、OSを無停止でアップデートできる「AlmaLinux ライブパッチ・オプション」、IoTデバイスや組込み機器のセキュリティに求められる「AlmaLinux FIPS140-3対応オプション」のサービスを6月1日から提供する(※正式なサービス名は提供開始時に発表予定)。

OSSセキュリティ・サービスを6月1日から提供する。これにより企業のLinuxサーバーのセキュリティがより強固に担保されるだろう。

これらのサービスは、特に産業分野でOSSセキュリティを担保するため、サーバーを長期的に運用したいユーザーが安心・安全して使えるようになるものだ。
AlmaLinuxはオープンソースなので基本的にライセンスフリーで使えるが、こういったサポートを企業側があらかじめ導入しておいたほうがコンプライナンス面でも良いだろう。

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