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9割以上がサプライチェーン全体でのセキュリティが重要と回答

進む製造業のDX化により、高まるセキュリティ意識。協力会社のセキュリティ対応の把握や専門人材の採用・育成の課題が顕在化

製造業のデジタル変革に挑むキャディ株式会社は、製造業に従事する1,059名を対象に「キャディ 製造業セキュリティ実態調査」を実施した。

昨今の企業を狙ったサイバー攻撃により、サービスや工場の稼働停止、製品が市場に出回らないなどの事態が発生している。製造業においても同様で、特に近年はDX化が進む中で自社内や企業間のやり取りにシステムを活用することが多くなり、本社とグループ会社やサプライヤー等取引先・協力会社を含めたサプライチェーン全体がネットワーク上で繋がるため、自社だけではなくサプライチェーン全体でのセキュリティを考える必要が出てきている。

■ 調査サマリー

● 製造業におけるセキュリティ意識は高まってきており、8割以上が業務上でセキュリティを「意識している」と回答。 
● 自社のセキュリティ対応について、対応できているのは「システムの導入やガイドラインの制定」で、一方対応が足りていないのが「専門人材の採用・育成」。 
● 「自社だけではなく、関連するサプライチェーン全体でのセキュリティが重要」、と93%が回答。 
● サプライヤー等取引先・協力会社へのセキュリティ対応は、自社と同レベルかその一部を求めると約8割が回答。実施すべき対応は、「NDA締結やガイドラインの制定」が上位に。

■ 調査結果 

●業務上でセキュリティを「意識している」「やや意識している」が合計で80%超。

●半数弱が、業務上でセキュリティのリスクを感じたことが「ある」と回答。職種別では、「原価計算」「マーケティング」「広報」が上位となる一方で、「設計・開発」は下位に。

●セキュリティ意識の変化、半数超がここ5年で「高まった」と回答。

●自社のセキュリティへの対応について、「セキュリティシステムの導入」が十分対応・対応していると思う合計で1位に。十分対応していると思うに限ると、「社内規程・ガイドラインの制定」が1位。一方で、「専門人材の採用・育成」は対応が足りない・全く足りないと思うとの回答が十分対応・対応していると思うを上回る結果に。

●58%が業務上で機密情報の共有が「ある」と回答。職種別で見ると、「新規事業」「原価企画」が 上位に。

●サプライチェーン全体でのセキュリティが重要、と93%が回答。職種別でもほとんどの職種で90 %を超えて、重要だと認識。

●サプライヤー等取引先・協力会社へのセキュリティ対応については、自社と同レベルの対応またはその一部を求める、と8割弱が回答。現状はNDA締結やガイドラインの制定との回答が上位に。

サプライチェーン全体のセキュリティが重要となる中で、サプライヤー等取引先・協力会社へ求めるセキュリティレベルも高いものが求められ始めている。現状では、実施すべき対応としては、NDAの締結や規程やガイドラインの制定が上位となっているが、今後はより変化へ柔軟に対応できる具体的な打ち手も求められてくることが予想される。

<解説>

 昨今の製造業において、デジタル化の進展は目覚ましい。それは一方で、製造業がアナログ管理では生じなかった新たなリスクへの対応を迫られることを意味する。今回の調査で半数以上の回答者でセキュリティに関する意識の高まりが見られ、セキュリティシステムの導入といった対応も進む中、実に9割超が「自社を超えたサプライチェーン全体でのセキュリティが重要である」と考えていることがわかった。

 協力会社のセキュリティ対応の把握も求められてきている。モノづくりは協力会社との連携なしには成り立たない。自社で如何に堅牢な仕組みを構築したとしても、関連するサプライチェーン内にセキュリティリスクが存在すれば、他社に提供した自社の情報がリスクに晒されることとなる。

 また、今回の調査では、半数近くの回答者から専門人材の不足が大きな課題であることが示された。適切な対策を行うにあたって、専門人材の不足は深刻な課題である。これは専門人材を多く抱える大手企業にとっても、もはや他人事ではない問題だ。サプライチェーン全体でセキュリティを担保するために、高い専門性を有した大手企業がシステム選定について助言するといった動きが今後生まれてくるかもしれない。

 裏を返せば、これは十分なセキュリティ対策がその企業のセールスポイントにもなりうるということだ。あらゆる変化にはリスクが付き纏う。正しくリスクと向き合い、適切に対処していくことが重要である。

===調査概要======================= 

調査名称:キャディ 製造業セキュリティ実態調査
調査期間:2024年8月14日(金)〜8月16日(月)
調査機関/調査方法:自社調査/インターネット調査 
調査対象者/有効回答数:製造業従事者/1,059名 
表記:四捨五入し、小数第1位までの値で記載 
職種別回答n数(複数選択可):営業(142)、営業企画(70)、マーケティング(76)、広報(41)、購買・調達(78)、原価企画(40)、設計・開発(291)、生産管理(155)、経営企画(48)、情報システム・DX推進(91)、新規事業(32)、 総務・人事・法務(122)、財務・会計・経理(68)、その他(170)
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出典:【キャディ 製造業セキュリティ実態調査】「自社だけではなく、関連するサプライチェーン全体でのセキュリティが重要」と、9割以上が回答

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