Gartner、CEOの85%が「サイバーセキュリティはビジネス成長に不可欠」と回答──最新調査で経営層の意識変化が浮き彫りに
Gartner, Inc.(以下Gartner)は、世界のCEOおよび上級経営幹部を対象に実施した最新の調査結果を発表し、回答者の85%がサイバーセキュリティをビジネス成長に不可欠であると認識していることを明らかにした。
この調査は、2024年6月から11月にかけて行われ、世界中のCEOおよび上級経営幹部456人から回答を得たものである。結果として、経営層の間でサイバーセキュリティに対する認識が、防御的な観点から戦略的な成長ドライバーとしての観点へと移行しつつある実態が浮かび上がった。
調査では、全体の61%のCEOがサイバーセキュリティの脅威を強く懸念していることも判明した。この背景には、商業活動におけるAIの拡大、ならびに先端技術の調達と運用を巡る地政学的・政治的な緊張が関与している。これらの要素が、リスク認識の基準を変化させ、CEOにとってサイバーセキュリティを単なるIT領域にとどまらない、経営課題として捉え直す契機となっている。
ディスティングイッシュト バイス プレジデント アナリストでありGartnerのフェローでもあるデイヴィッド・ファーロンガー氏は、「サイバーセキュリティはもはや防御のためだけのものではなく、企業の成長を支える推進力となっている。85%ものCEOがその重要性を認識している今こそ、セキュリティ・リーダーが戦略的投資の価値を証明するべき絶好の機会である」とコメントしている。
さらにファーロンガー氏は、「セキュリティ・リーダーには、資産保護だけでなく、企業成長を後押しする視点が求められる。海外市場のリスク評価や知的財産の保護といった具体的な活動を通じて、経営に対するセキュリティの貢献を可視化すべきである」と述べている。
調査結果を裏付けるデータとして、Gartnerが発表した図表では、企業のサイバーセキュリティ能力が成長促進に直接的に寄与するとの関係性が示されている。急速に変化する規制環境とサイバー脅威に直面する中、サイバーセキュリティの戦略的価値はこれまで以上に高まっている。

この調査結果は、サイバーセキュリティの位置づけを再定義し、経営と一体化させるための実務的な示唆を提供するものであり、セキュリティ担当者にとっては、その価値を経営層に伝えるための新たな視点を提供するものとなっている。