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Hezi Rash、8月〜10月でDDoS攻撃約350件――日本でも66件を確認

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは、外部リスク管理調査チームの新報告として、クルド民族主義を掲げるハクティビスト「Hezi Rash」の活動拡大を発表した。2025年8月〜10月で約350件のDDoS攻撃を確認し、標的は日本・トルコ・イスラエル・イラン・イラク・ドイツなど広範囲に及ぶ。日本では66件が確認されたとする。

概要—象徴性を狙う新興勢力

調査は、ハクティビズムが象徴的な抗議から大規模で組織化されたサイバー攻撃へ進化している実態を示す。自称「Black Force」のHezi Rashは、イデオロギーに基づくDDoS攻撃を武器化し、民族主義的・宗教的主張の拡散を図っている。日本に対しては、政治・経済的対立が明確でないにもかかわらず主要標的となっている点が特筆され、象徴的・文化的な挑発が引き金となった攻撃(例:アニメ関連スタジオ / プラットフォームへの数十件の報復攻撃)も確認された。

図:Hezi RashによるDDoS攻撃の国別分布

攻撃規模とネットワーク化—“サービスとしてのDDoS攻撃”を活用

外部リスク管理調査チームは、同期間に約350件を確認し、同規模の組織(一般的に50〜100件)と比べ突出していると報告する。Hezi Rashは新ロシア派やイスラム系のハクティビスト集団との連携を通じて、EliteStressなどのDaaS(サービスとしてのDDoS攻撃)やDDoSia / Abyssal DDoS v3のツールキットを活用し、攻撃の範囲と威力を増幅しているという。

ハクティビズムの進化—AI・SNSで“機械速度”の動員

本報告は、AI活用型DaaS攻撃で自律的に攻撃を拡大し、テレグラムやXなどのチャンネルで世界中の参加者を迅速動員、国家的象徴やナラティブを標的にオンライン上の怒りを大規模妨害へ転換する潮流を指摘する。

研究者コメント—「注目の武器化」に備える

チェック・ポイント 外部リスク管理部門(旧CyberInt)のダニエル・サデー氏は、Hezi Rashを「迅速で、イデオロギーに突き動かされ、自動化で拡大」する次世代型ハクティビズムの体現と評し、「注目の武器化によって象徴的な出来事が瞬時に組織的グローバル攻撃へ変換される」と警鐘を鳴らす。「リアルタイムの脅威インテリジェンスとAI駆動の自動化を活用した防止優先の戦略採用を求め、混乱が常態化する前に機械速度で検知・判断・防御する」必要性を強調した。

出典:PRTimes チェック・ポイント、クルド系ハクティビスト集団「Hezi Rash」の攻撃拡大を報告 2カ月弱で350件のDDoS攻撃を確認

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