JNSAの情報セキュリティ市場調査が公開、2021年の市場予測は1兆2,127億円に!
特定非営利活動法人 日本ネットワークセキュリティ協会(以下、JNSA)は6月30日、セキュリティ市場調査ワーキンググループによる「2020年度 国内情報セキュリティ市場調査報告書」を発表した。
JNSAでは、国内情報セキュリティ市場の変化を考慮し、2019年度からセキュリティ区分と調査内容の見直しを行っており、「新分類」としてレポートを公開、本年度も、この新分類の様式に則ったカタチで市場調査が行われた。同調査では、セキュリティ市場を「情報セキュリティツール」と「情報セキュリティサービス」に分けている。
新分類による2019年度の情報セキュリティ市場の規模(売上推定実績値)を振り返ると計1兆1,201億円で、そのうちツールが6,592億円、サービス市場が4,609億円となった。
ツール市場の詳細を見ると、前年比2.8%の増加となっている。「ネットワーク防御・検知/境界線防御製品」が1,831億円(27.8%)、「コンテンツセキュリティ対策製品」が1,779億円(27.0%)、「エンドポイント保護管理製品」が1,685億円(25.6%)と3製品が拮抗、また「アイデンティティ・アクセス管理製品」は1,298億円(19.7%)となっている。
一方、サービス市場では、マネージド・運用サービスが2,000億円(44.0%)を占め、コンサルティング/診断サービスが1,762億円(38.0%)、周辺サービスが847億円(18.0%)となった。サービス全体では前年から2.2%の増加、もっとも伸び率が高かったのはコンサルティング/診断サービスで6.3%増加した。
2020年度以降はエンドポイントやIDアクセス管理製品の拡大か?
2020年度の市場も推定見込みで合計1兆1,599億円と堅調だ。ツールが6,810億円、サービスが4,789億円で、ツールが200億円ほど伸びると予測。また2021年度は、ツールが6,956億円、サービスが5,171億円で、合計1兆2,127億円になるという。
ツールに関しては、クラウドへの移行が進み、セキュリティツールやWebコンテンツに対する需要が拡大すると推測。そのような状況で2019年度に伸び率が高かったのは、ネットワーク防御・検知/境界線防御製品で8.8%増だった。また2020年度以降は、テレワークやDX化の動きが市場に反映され、高機能なエンドポイントやIDアクセス管理製品の拡大が見込まれるという。
サービスに関しては、サイバー攻撃の高度化や国内外での法改正によって、IT統制やガバナンス、コンプライアンス対応の強化がいっそう求められ、コンサルティング/診断サービスの需要が拡大する方向だ。2020年度以降は、リモートネットワークなどの仕事環境の変化によって、ツールからサービスへのソリューション転換が加速し、サービス市場全体が成長するものと予測している。
<報道発表資料>2020年度 国内情報セキュリティ市場調査報告書