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自宅Wi‑Fiは無防備 ― 82 %が対策を誤認

個人向け VPN サービスを提供する Nordvpn S.A.(アムステルダム)は、日本のインターネット利用者 526 名を対象に「家庭用 Wi‑Fi ルーターのセキュリティ意識調査」を実施し、その結果を 2025 年 7 月 8 日に公表した。調査期間は 2024 年 1 月から 12 月である。

主な調査結果

指標調査結果
正しい保護方法を理解していない人82 %
基本対策(安全なパスワード/WPA2・WPA3/FW更新)の認知度70 %以上
高度対策(MAC フィルタ/SSID 非表示)の認知度50 % 未満
「知っているが実践していない」7 %

調査は、基礎的な防御策の浸透が進む一方で、高度な設定の理解・実践が追いついていない現状を示した。

ルーターが標的になる理由

  • ルーターは家庭内ネットワークの「玄関口」であり、侵害されると接続された 全デバイス が危険に晒される。
  • 近年、感染ルーターがボットネット化される事例が増加し、スマートフォンや PC だけでなく家電 IoT にも被害が波及している。

ハッキングで想定される4大リスク

  1. 第三者による不正利用 – 帯域占有だけでなく違法行為の踏み台に。
  2. 通信内容の監視・傍受 – ネットバンキングや EC の資格情報が盗まれる恐れ。
  3. 中間者攻撃(MitM) – 偽サイトへリダイレクトして認証情報を詐取。
  4. DNS ハイジャック – 設定を書き換え、マルウェア配布サイトへ自動誘導。

NordVPN最高技術責任者マリユス・ブリエディス氏が勧める5つの対策

対策目的
1「自分も標的」と認識油断を排し、対策行動を起こす第一歩。
2使いやすいルーターを選定UI・サポートが整った製品で管理負荷を軽減。
3プロバイダ任せにしない設定変更初期 PW 変更、リモート管理無効化、FW 有効化。
4WPA3+強固なパスワード古い WEP/暗号化なしは厳禁。
5VPN 利用通信を暗号化し盗聴・改ざんリスクを低減。

NordVPN最高技術責任者マリユス・ブリエディス氏のコメント

「パソコンやスマートフォンのハッキングには多くの人が警戒していますが、Wi-Fiルーターについては「個人情報を直接保存していないから大丈夫」と油断して対策を怠りがちです。しかし、まさにその油断こそが、ハッカーに狙われる最大の要因となっています。

ご家庭のルーターを守るためには、まず初期設定のパスワードを必ず変更することが重要です。さらに、SSID(Wi-Fiネットワーク名)を非表示に設定することで、ネットワーク名とパスワードの両方を知っていなければ接続できない状態となり、外部からの侵入リスクを大幅に下げることができます。

加えて、ルーター自体にVPNを導入することも非常に効果的です。VPNを使用することで、接続されたすべてのデバイスの通信内容が暗号化され、万が一ネットワークが不正アクセスされたとしても、データを第三者に読み取られない安全な状態に保てます。」

まとめ

調査は、82 % のユーザーが家庭用 Wi‑Fi の守り方を誤解している 実態を示した。基礎対策の浸透は進むが、高度設定の理解不足や「知識と行動のギャップ」が依然として課題である。ルーター攻撃は個人情報や金融資産の流出に直結しうるため、ユーザーは「自宅も狙われる」という前提で、上表5項目を速やかに実践すべきである。

出典:PRTimes 自宅のWi-Fiルーターも狙われる? セキュリティを意識しない人は82%も!NordVPNが「無防備なルーターの実態」に関する調査を実施

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