NEC、PQC移行方針策定を支援
暗号利用状況の棚卸しから移行ロードマップ策定までを包括支援
日本電気(以下、NEC)は2026年2月27日、量子コンピュータ時代を見据えた「耐量子計算機暗号(PQC:Post-Quantum Cryptography)移行方針策定支援サービス」の提供を開始したと発表した。官公庁および民間企業を対象に、暗号利用状況の棚卸しから移行ロードマップの策定までを一気通貫で支援し、組織におけるPQCへの移行検討を加速させることを目的としている。
近年、量子コンピュータの研究開発が進むなか、現在広く利用されているRSAやECCなどの公開鍵暗号の安全性が将来的に低下する可能性が指摘されている。また、現時点では解読できない暗号化通信やデータを収集して保存し、将来の計算能力向上を待って解読する「Harvest Now, Decrypt Later(HNDL)」攻撃への懸念も高まっている。
しかし、大規模な組織では自社システム全体でどの暗号技術が使われているのか把握できていないケースも多く、暗号方式の移行に向けた現状把握や優先順位の整理が課題となっている。NECはこうした状況を背景に、PQC移行に向けた検討の立ち上げを支援するコンサルティングサービスとして本サービスを提供する。
暗号利用状況の可視化から移行ロードマップまで支援
同サービスは、暗号技術およびサイバーセキュリティ分野でNECが長年培ってきた研究開発の知見を活用し、PQC移行に向けた実行可能な方針策定を支援するもの。主な特徴は次の通り。
まず、顧客とのヒアリングを通じて事業影響、データの機密性や保存期間、規制・契約要件、システムのライフサイクルなどを整理し、PQC移行の対象範囲や優先順位を明確化する。
次に、ネットワーク構成図や既存の資産管理情報などを基に、利用されている暗号アルゴリズム、鍵長、プロトコル、証明書・鍵管理、関連ライブラリや製品との依存関係などを洗い出し、暗号利用状況を「クリプトインベントリ」として整理する。これにより、ブラックボックス化しがちな暗号利用の実態を可視化する。
さらに、作成したクリプトインベントリを基に、データの重要度や外部接点、更新タイミング、運用制約などの観点からリスクと移行優先度を評価し、段階的な移行計画を示すPQC移行ロードマップを策定する。
PQC移行方針書として成果物を提供
サービスの成果物としては、暗号利用状況をまとめたクリプトインベントリ、移行優先度の評価結果、PQC移行ロードマップ、方式選定や適用に関する検討観点などを含む「PQC移行方針書」を提供する。
提供形態はコンサルティングで、標準期間は3カ月から。対象範囲やシステム規模に応じて期間は調整される。
NECは本サービスを通じて、顧客の事業継続性を確保するとともに、量子コンピュータ時代に備えた計画的な暗号対策の推進を支援し、安全・安心なデジタル社会の実現に貢献するとしている。
出典:PRTimesNEC、量子コンピュータ時代を見据えた「耐量子計算機暗号(PQC)移行方針策定支援サービス」を提供開始