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総務省 青少年のインターネット利用に係る調査結果

総務省では、「我が国における青少年のインターネット利用に係る調査」を実施し、結果概要をとりまとめ、公表した。

1 経緯・内容

青少年の安心・安全なインターネット利用環境整備の一層の促進を図るため、GIGA端末整備など昨今のインターネット利用環境の変化を踏まえた、青少年のインターネット利用環境における諸課題とその対応状況に関して、青少年による情報発信の機会の多様化にも着目し、実態調査を実施するとともに、低年齢層のこども(未就学児~小学校低学年)を持つ保護者に対する啓発コンテンツ※を作成した(委託先:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM))。
具体的には、3,012名の青少年保護者及び601名の青少年を対象としたアンケート調査、10名の青少年に対するインタビュー調査、ペアレンタルコントロールサービス提供事業者およびプラットフォーム事業者へのヒアリング調査、文献調査等を実施し、その結果をとりまとめたものである。

※作成した啓発コンテンツは以下から閲覧が可能である。

2 調査結果のポイント

(1)主な知見

  1. インターネット利用において、「トラブルに遭遇したことはない」という青少年の回答は52.4%であり、「答えたくない」と回答した1.6%を考慮しても、46.0%の人が何らかのトラブルに遭遇したことがあると回答している。
  2. 青少年がインターネットを利用することについて、とりわけスマートフォンにおいて「課題・問題と感じていたり、不安に感じていたりすること」がある保護者が多く、未就学~中学生の保護者では60%を超えていた。一方、青少年自身の回答では、 「課題・問題と感じていたり、不安に感じていたりすること」がある割合は中学で28.0%、高校で32.3%と、保護者に比べると低い傾向がある。
  3. 青少年が投稿している内容として、「自分自身が写った画像・動画」「友人・恋人・パートナーが写った画像・動画」が多かった。プライバシー設定に関する質問では「非公開設定機能(鍵アカウント)を利用している」との回答が44.7%と最多であったが、逆にいえば、大半の青少年は公開状態のままインターネット上で投稿しているといえる。
  4. 青少年の回答では、「ネットを通じて知り合い、会ったことがある人」と交流している例が少なくなく、特に高校生では20.6%であった。高校生の保護者の回答では、この数値は14.3%であり、実際には、高校生は保護者が把握しているよりもネットを通じて知り合い、会っているケースが多いことが分かる。
  5. 保護者を対象とした調査でも、青少年を対象とした調査でも、インターネット利用に伴うトラブルのうち、最も高頻度で遭遇しているのが「使いすぎによって学業や生活に支障が出た」であった。
  6. ペアレンタルコントロールという言葉について、「人に説明できる程度に内容を詳しく知っている」「人に説明はできないが、ある程度内容を理解している」のいずれかに該当した保護者は30.0%であった。
  7. 保護者、青少年ともに、トラブル予防・対処方法について教わりたい手段として「学校が行う講座」「学校で配られるチラシ・パンフレット」のニーズが極めて高かった。
  8. 青少年インタビュー調査では、インタビュー対象の10件中8件において「学校・クラス」「知人・友人」間でトラブルが発生していた。また、10件中9件でSNSのDM・チャット上でトラブルが発生していた。

(2)主な政策的含意

  1. 青少年はインターネット利用においてトラブルに少なくない割合で遭遇しており、中には深刻な被害をもたらすものもある。引き続き対策を強化していくことが求められる。
  2. 多くの人が、青少年がインターネットを利用することについて課題・問題や不安を感じているため、引き続き啓発の推進が求められる。特に年齢の低い青少年の保護者への啓発が求められる。青少年はインターネット接続機器の利用に不安を感じていない傾向にあるが、実際には5割弱の青少年がトラブルに遭遇していることから、トラブル遭遇リスクについて青少年自身に啓発していくことも重要と考えられる。
  3. 自身や周囲の人の画像・動画の投稿に関するリスク及びプライバシー設定についての啓発をさらに進め、保護者と青少年が十分な知識を基に適切に対応できるようにすることが大切である。
  4. 青少年がインターネット上で、見知らぬ人と会うリスクについて、保護者・青少年双方に幅広く啓発し、共通知識を醸成していくことが重要である。また、家庭内において、見知らぬ人と会うことの報告や何らかのトラブルに遭遇した時の情報共有などを行いやすい状況にしておくことの重要性を啓発することも効果的と考えられる。
  5. インターネットの使いすぎについて、そのリスクや適切な防ぎ方(家庭内ルールの導入・ペアレンタルコントロールサービスの導入など)について啓発することが重要である。
  6. ペアレンタルコントロールという言葉を啓発すると共に、フィルタリングやペアレンタルコントロールサービスのような機能の活用と、適切な家庭内ルールの導入という2点について、より一層の啓発が求められる。
  7. 学校の講座・配布チラシ、インターネット上の動画・ショート動画は保護者と青少年共通でニーズの高い手段であり、これらの手段でペアレンタルコントロールについて啓発していくことが望まれる。
  8. SNSの利用に関して問題のある行為について、情報モラルだけでなく法律についての知識も含め、青少年への啓発をさらに推進する必要がある。

 その他詳細については、別紙で確認ができる。

3 参考

以下のウェブサイトにおいて、青少年のインターネット利用に係る総務省の具体的な取組について記載している。

・我が国における青少年のインターネット利用に係るペアレンタルコントロールの効果的な啓発に関する調査結果
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban08_03000408.html

・青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/ilas.html

・青少年のICT活用のためのリテラシー向上に関するワーキンググループ   https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/ict_literacy/index.html

・インターネットトラブル事例集(2024年版)
https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/trouble/

出典:総務省 我が国における青少年のインターネット利用に係る調査結果の公表

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