経産省 モビリティDX戦略を改定
経済産業省と国土交通省は2024年5月に策定した「モビリティDX戦略」を、AI活用型自動運転の実装競争激化や地政学リスクの高まりといった直近の環境変化を踏まえアップデートした。本戦略は、日本経済と雇用を支える自動車産業が国際競争に勝ち抜くため、2030年および2035年にソフトウェア定義車(SDV)グローバル販売台数の「日系シェア3割」実現を掲げている。官民は昨年以降、この目標に沿って検討を進め、2025年までに必要な政策強化方針を取りまとめた。
アップデートのポイント
1.AI自動運転モデルなどSDV投資の加速
- 安全かつ広範囲な自動運転実装に向けたAI技術開発
- 業界協調体制の構築と政府調達の活用による早期社会実装
2.SDVに適応した新たな産業構造の構築
- SDV部品のグローバルサプライチェーン把握・強靱化へ向けたデータ連携推進
- 車両要件定義の共通ルール化と開発プロセスのデジタル化
- モビリティDXプラットフォームを活用したソフトウェア人材不足解消と企業間連携
3.地政学リスクへの対応
- SDV関連システムの国内生産基盤強化により供給途絶リスクを低減
「モビリティDX戦略」施策ロードマップ(アップデート版)

「アップデート版モビリティDX施策ロードマップ」
- 2025年:AI自動運転モデル実証/要件共通化指針策定
- 2027年:国内生産基盤拡充/データ連携基盤本格稼働
- 2030年:SDV販売台数シェア30%達成目標
- 2035年:SDV販売台数シェア30%維持・拡大
今後の展開
両省は、官民投資の加速とサプライチェーン強靱化を同時に進め、新たなモビリティ産業エコシステムの構築を目指す。年内には詳細施策のロードマップを精緻化し、関係企業・団体との連携強化や人材育成策を本格化させる予定である。
出典:経産省 「モビリティDX戦略」をアップデートしました